ブラチスラバ絵本原画展で購入した絵本シリーズ①
「オレときいろ」（ミロコマチコ 2014年11月30日 第１刷発行 WAVE出版）2015年のブラチスラバ絵本原画展で第2位にあたる金のりんご賞受賞作品である。作者ミロコマチコは、1981年、大阪生まれの画家、絵本作家である。2012年「オオカミがとぶひ」（イースト・プレス）で絵本作家デビューし、第18回日本絵本大賞を受賞。その後の発表作品も含めて、デビューから3作連続受賞している。
さて、本書「オレときいろ」である。第一印象。これほどまでに、色の力を感じる絵本があるだろうか。表紙、裏表紙の黄色が目に飛び込んでくる。まず、このインパクトに読者はひきこまれるはずだ。そして、いざ表紙を捲ると飛び込んでくるのが、真っ黒い木？太い幹に太い枝。葉っぱは・・・一切ない。そして、上部の枝に青い“オレ”（ねこ？）がちょこんといるのだ。この“オレ”がまたなんとも魅力的なことか。そして、さらに捲ると、先ほどのルーズの画面から、“オレ”がいる枝がアップの画面へと切り替わるのだ、そして、その枝先には、突如として“きいろ”が現われる。きいろ？こんな表現方法をだれが思いつくだろう。色のインパクトの次に感じるのは、物凄い絵の力、エネルギーが紙面から溢れ出んばかりの躍動感に読者は圧倒される。“きいろ”を捕まえようとする“オレ”。そして、捕まってなるものかと逃げる“きいろ”。ページを捲るごとに、その躍動感溢れる絵力に感服する。このような形で見事に一見シュールな世界観が描かれる。絵本の力を感じずにはいられない1冊だ。
