絵本紹介⑲

絵本読み聞かせ

「んぐまーま」(谷川俊太郎・文 大竹伸朗・絵 2003年11月第1刷 株式会社クレヨンハウス)

 今年最初の絵本紹介は、年明けに足を運んだ「大竹伸朗展 国立近代美術館」を鑑賞した際ににミュージアムショップで見つけて購入した1冊。恥ずかしながら、この絵本の存在は知らなかった。昨年、大竹伸朗の著書「見えない音、聴こえない絵」(大竹伸朗・2022年8月10日 ちくま文庫)を読み、どうしても展覧会にいかずにはいられなかった。大竹伸朗さんは、現代美術の巨匠でありカリスマ的な存在である。京都から夜行バスで弾丸東京一人旅を実行したのは記憶に新しい。谷川俊太郎さんは、言わずと知れた現代詩作家の巨人である。今なお第一線の言葉の世界でご活躍である。また、我が勤務校の校歌の作詞者でもあり、数年前の開校10周年行事ではご来校頂いたイベントではコーディネート役として司会を務めさせて頂いた。前日には、イベントを円滑に進めるための打ち合わせを兼ねて一緒に食事もさせて頂いた。その時に発せられる言葉の重み、そこから受ける刺激、染み渡るような感覚を今でも覚えている。今から思うとなんと贅沢な時間だったことだろう。

 さて、このお二人がコラボされた絵本「んぐまーま」は、なんとも不思議でシュールな絵本である。一般的には赤ちゃん絵本として捉えられ、紹介されること多いのだろうか。確かにそうかもしれない。ピンク色の細長い生き物?!が生まれる?!ところから始まるのだろうか。声に出して読むと、意味をなさない舌をかみそうな言葉が綴られている。なかなか1回ではつまらずにかまずに読むことは難しい。(少なくとも何度も私は読み間違った。)一度では、分からず2度目を読んだ。3度目を読みかけたところで、ふと思った。分かろうとするときっと分からないのだ。ある絵本関連サイトを見ると、この絵本が大好きな赤ちゃんは、絵を見て笑い、言葉を聞いて笑い、何度もこの絵本を読んでもらうことを要求するそうだ。もっと頭を柔らかくしなければ・・・・と、小難しいことを考えているようでは楽しめない。赤ちゃん絵本と紹介されるこの絵本、本当に赤ちゃん絵本?!絵本にこんなカテゴリは必要ないのかもしれない。

 この絵本を作る時、谷川修太郎さんと大竹伸朗さんの間にはどんなやりとりがあったのだろう。一見意味をなさない言葉とシュールな絵。きっと無駄な物がそぎ落とされ、これ以上でもこれ以下でもない唯一無二の言葉と絵によってできた1冊なのだと思う。

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