町田尚子さん絵本原画展~隙あらば猫~

鑑賞

~2024年GW日記②~

 5月3日(金)町田尚子さんの絵本原画展~隙あらば猫~を見に京都大丸ミュージアムへ。余談だが、毎年行っている春の古書大即売会(京都市勧業館みやこめっせ)へ行った後。(今年は絵本が少なかったが9冊購入)それはさておき、本日のメインはこちら。

 圧巻!参りました。本当に凄いという形容詞しか出てこない。予想以上の展示数だけでなく、今まで知らなかった町田尚子作品の数々に驚愕したのだ。原画展のタイトル通り、数々の❝猫❞の絵の素晴らしさ。自分が知っている絵本、持っている絵本は限られているが、やはりその原画を目の当たりにすると、食い入るように見てしまうものだ。近づいてディテールを確かめ、少し離れて全体像を見る、またまた近づいてネコの毛並みの一本一本を確かめたくなるのだ。どうしてここまで細かな筆遣い、色使いができるのか・・・そして、たくさんの猫がそれぞれの個性を発揮している。絵の中の猫たちはマギレモナク生きているのだ。一匹一匹の猫たちをここまで描き分けられるのは本当に驚きだ。

 そして、猫以外の絵本原画も素晴らしい。印象的だったのは、怪談絵本の原画。例えば、京極夏彦さんの「いるのいないの」(京極夏彦作・町田尚子絵・東雅夫編・岩崎書店・2012年)だ。この不気味な雰囲気をどう描いたのかは本当に興味深い。他の絵本もそうなのだが、一枚の絵の構図が絶妙なのだ。下から見上げる、上から見下ろす、遠くから眺める、至近距離から・・・等、この構図の取り方がリアリティーを高めたり、読者の想像を掻き立てたりする効果があるのだろう。

 また、絵本以外のタブローも素晴らしかった。様々なタブローを見たり、町田さん自身の言葉を読むと、絵本作家というより、画家といった方が相応しいのかもしれない。いずれにせよ、本当に幅広いジャンルにの絵を描かれているし、今に至る変遷を知るとナオサラ興味深い。原画展を見るだけでは足りない。時間的にも、刺激を受けた自分自身のメンタルを整理するにももう少し時間が必要だ。ということで、やっぱり図録(画集)は必須ですね。

 あと、図録にある文章を読む中で新たな発見。下地にブラックジェッソを使用することが結構あるらしい。なるほど、これは試してみる必要がある。というか、早くやってみたくてしょうがない。自分自身の創作に関わることだが、今、構想して取りかかりかけていたことがあるが、ちょっと予定変更になりそうだ。創作に関しては、また、追ってレポートするかも・・・

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